エッセンシャル思考～最小の時間で成果を最大にする～

どんな本か下記概略となります。

本書はエッセンシャル思考と非エッセンシャル思考について示し、無駄を省いて成果を出す方法が書かれています。

【グレッグ・マキューン】氏が書かれた本書は全米でベストセラーとなり、日本人のメンタリスト【DaiGo】さんも絶賛しているビジネス書における名著です。

これを学ぶことでビジネスにおいて周りから貴重な人として認識されて日々を過ごせるようになります。成功者はどのような生活習慣を送っているか学べる本ですので、ぜひご参照ください。

エッセンシャル思考とは何か

1.【エッセンシャル思考】と【非エッセンシャル思考】

思考のパターンにはエッセンシャル思考と非エッセンシャル思考があります。

エッセンシャル思考とはより少なく、より良く必要とそうでないものを分けて考え、やることを計画的に減らして本当に必要なことにたいして行動し、自分の人生は自分でコントロールして毎日楽しめていることを言います。

対して非エッセンシャル思考とは与えられたすべてのことが大事でやるものと考え、嫌なことでも反射的に何度も引き受け、他人に振り回される人生で疲れ切っていることを言います。

エッセンシャル思考を持ち、自分で優先順位を決めなければ他人の言いなりになってしまうのです。

エッセンシャル思考には基礎があり、必要なモノと不要なモノの選択する技術、何が重要かを正しく見極める技術、すべてを手に入れることは出来ないので、何かを捨てる技術とこれらの要素を常に念頭に置くことが大切です。

2.選択する力

選ぶという行動を自分でコントロールしない限りエッセンシャル思考は身に付きません。

これは仕事に限らずプライベートにも影響するもので、選ぶ力は自分だけのものであり何物にも奪えないということを理解することが大切です。

選ぶということを忘れると、人は無力感にとらわれだんだん自分の意思が無くなり他人の選択を黙々と実行するだけになり、これでは非エッセンシャル思考の生き方になってしまいます。

また世の中の大多数のものが無価値であり、ほとんどのことはやらなくても対して影響がないことだったりします。

沢山の時間をかけて細かく作成した資料と、本当に重要な内容のみを書いた資料をプレゼンしたときの周りの反応は対して変わりないことに皆さんは肌で感じているはずです。

3.トレードオフ

トレードオフとはここでは簡潔には【何かを選ぶことは、何かを捨てること】に該当します。

選択する力が大切と述べましたが、それと同様に【捨てる力】が必要になってきます。

何かにイエスということは、その内容がとても重要で絶対にやるべきことである為、それ以外のものをすべてノーという必要があります。

身近な例では、沢山のメールが届いている時に本当に必要な内容にはじっくり時間をかけて回答し、それ以外の返信する必要がないメールは無視するか削除することです。

また、著者はとても幸せそうな子連れの夫婦に出会いその秘訣何か？と訊いたところ「夫は趣味のゴルフ、妻は通っていたクラブを辞めて、子どもと過ごす時間を最優先にしたことで夫婦と子どもたちとの関係が最高になり、趣味で得られた以上の幸せを受け取っている」といったトレードオフの形もあります。

このように、エッセンシャル思考にはトレードオフから目をそむけずトレードオフから逃げないことが大切です。

重要なことを見極める技術

1.孤独の時間を設ける

エッセンシャル思考はじっくり考える必要があり、忙しくて余裕がないと非エッセンシャル思考に陥るので本質を見極めるためにも、考えるための時間の余裕を作ることが大切です。

過去の偉人たちは考える時間があったからこそ、沢山のアイデアや成果を残しています。

例えば【アイザック・ニュートン】氏は万物引力の法則を発見したのは2年間も一人きりで引きこもって「考え続けていたんだ」と述べており、それは並大抵のレベルではなくただひたすらにそのことだけを考え抜いていたのです。

また、世界の長者番付でたびたびランクインしているマイクロソフト社の創業者【ビル・ゲイツ】氏は、どんなに忙しくても1年に2回ほど1週間の「考える週」を用いて仕事から完全に離れてひたすらに本を読んでいるそうです。

良いアイデアや正しい選択が生まれるのは孤独の時間から得ていることが多いので、1日に5分でも良いので忙しい日常から離れて自分だけでいられる時間を確保することが大切です。

2.遊び心が大切

人は大人になるにつれてどんどん遊ばなくなりますが、遊びは生きるためにとても大切な行動でありさまざまなメリットがあります。

遊びが大切な理由として、それまで気づかなかった可能性や思いがけないつながりに気づけたり、常識にとらわれない柔軟なやり方が見えてきて新たなストーリーを発見することがあります。

相対性理論の発見で有名な【アインシュタイン】氏も「自分自身や自分の考え方を振り返ると、有用な知識を覚える能力よりも空想する力の方が大きな位置を占めているようだ」と述べており、遊び心の大切さがわかります。

ストレスがたまると生産性を下げたり好奇心や創造性の働きを弱めたり、何もかもが上手くいかないという経験は誰にでもあり、「部屋の鍵が見つからない」「玄関に大事な書類を置き忘れる」といった思考や行動に様々なマイナス面がありますが、遊びはストレスを軽減してくれますのでこれらの失敗の確率が下がります。

そして遊びは脳の高度な機能が活性化されることが判明しており、精神科医によると「遊びは脳の実行機能に良い影響を与える。実行機能とは、計画、優先順位づけ、スケジューリング、予測、委譲、決断、分析などビジネスでの成功にに不可欠なスキルを多く含む」と述べています。

遊びは本質を探究するのに役立つだけではなく、それ自体がどこまでも本質的なのです。

3.睡眠は脳の機能を高める

私たちの最大の資本は自分自身であり、自分への投資を怠り心と体をないがしろにすると価値を生み出すための元手が無くなり、自分という資本を守らないと世の中のために働くことが出来なくなります。

それでいてほとんどの人たちがどんどん自分を壊しているのが現状で、その最大の原因は睡眠不足です。

睡眠は脳の機能を高める効果があり、優秀な人ほどよく眠る傾向があり眠ると創造的になり仕事の効率も高まることがわかっています。

【マルコム・グラッドウェル】氏が提唱した「1万時間の法則」というものがり、これはある分野でスキルを磨いて一流として成功するには1万時間の練習・努力・学習が必要というものです。

非エッセンシャル思考の人は、「1万時間」という数にとらわれ質を考慮せずにだらだらと実行するしますが、エッセンシャル思考の人は睡眠を重要視しており、睡眠をたっぷり休息をすることで1時間当たりの集中力が並外れていますので同じ1万時間でも別次元です。

例として一流のヴァイオリニストは１日の平均睡眠時間が8.6時間であり、それによりずば抜けた集中力とプレッシャーの中で完璧に演奏することが可能なので睡眠がいかに大切かがわかります。

4.厳しい基準で決める

何かを決断する際に最重要基準を一つ用意して、その中で100点満点中【90点ルール】を取り入れることが大切です。

【90点ルール】というのは評価が90点以上を合格、それ未満をすべて不合格とすることでトレードオフを強く意識させるやり方であり、エッセンシャル思考を高めることが出来ます。

テストで65点を取ったと時の気分を思い出してほしいのですが、そんなパッとしない気分のものをわざわざ仕事で選んでもやる気が上がりません。

この厳しい基準を常に意識しておくことで、【仕方なく】やるのではなく【選びたいから】という自分自身で人生という選択肢をコントロールすることが出来ることと同時に、本当に重要なことを見分けることが出来るのでビジネスにおいても大いに役立ちます。

絶対に【イエス】だと言い切れないなら、それはすなわち【ノー】であるということを念頭に置きましょう。

捨てる技術

1.上手に断る

他人からのプレッシャーに負けず上手に断ることは、エッセンシャル思考の必須スキルであると同時に最も難しいスキルです。

不要なモノを切り捨て重要なことだけに集中するということは言うのは簡単ですが本当に実践できる人は多くありませんので、これを出来るようにするには【自分の中で本当に大切なこと】を把握することで可能になります。

例として【7つの習慣】で有名な【スティーブン・コビー】氏のお話で、仕事の後に娘さんとの会食を約束しておりましたが、外出先で学生時代の友人であり大切な仕事相手でも人から仕事の話を踏まえて埠頭の高級レストランでの会食を誘われ、その際に発した言葉が「それはいいね！埠頭でディナーとは最高だろうな！でも今夜は駄目なんだ。娘と特別なデートの約束をしているのさ。」と言い、仕事よりも娘さんを優先しました。

このように上手に断ることで相手に嫌な気持ちにさせず、娘さんとの大切な時間を確保しているのです。

彼の教えである「肝心なのは、肝心なことを肝心なままにしておくことだ」という言葉があり、まさにそれを実践したのです。

【自分にとって本当に重要なのはこれだ！】という確信を持ち、それを隠さずに伝えることで上手に断ることが出来るのです。

2.過去の損失は切り捨てる

エッセンシャル思考において過去の失敗や過ちを認め、駄目な行動はすっぱりと切り捨てることが大切です。

非エッセンシャル思考の人は、「こんなにお金を掛けたのに今さらやめられない！」「やり続ければ、いつか報われる」といった失敗を認めたくない特徴があります。

対してエッセンシャル思考の人は「もしもまだ1円も払っていないとしたら、今からこの企画に投資するだろうか？」「今これを辞めたら、何に時間とお金を使えるだろうか」といった進んで損切をする特徴があります。

投資や事業においても、途中で損切しないことには最終的に大きな損失を発生させてしまうことは過去の事例で沢山あります。

上手に手放すテクニックをつけることで、本当に大切なモノを見極めることが出来るようになります。

自分の失敗を認めたときに初めて失敗は過去のものになり、失敗した事実を否定する人はそこから前に進むことが出来ませんし、失敗を認めることは恥ずかしいことではなく自分が以前よりも賢くなったことを意味します。

そしてこの世のトラブルの半分は、イエスを言うのを焦りすぎてノーというのを渋りすぎることからくるので、何かを選択する際はじっくりと考えてから答えを出しましょう。

3.余剰を削り本質を取り出す

細かくごちゃごちゃした文章や内容よりも、シンプルな方がすんなりと頭に入ってきます。

非エッセンシャル思考の人は【良くすることは何かを付け加えること】と考えますが、エッセンシャル思考の人は【良くすることは何かを削ることで、不要な部分は冷徹に切り捨てること】を考えます。

プレゼンにおいて、細かく書かれすぎて伝えたいことが伝わらず「結局何が言いたいの？」という場面を見てきたことは沢山の人が経験しています。

本当に必要な内容を伝えることで、自分自身が内容をしっかりと把握しているので人から質問されてもシンプルに答えることが出来ますし、受け取る側が質問する時間をしっかり設けることで相互理解がより深まります。

仕事や何かをプレゼンする際は【不要な部分は削除する】【内容を凝縮する】【間違いを修正する】【より少なく抑制する】を意識することで自分も他人も明確に理解することが出来ます。　

エッセンシャル思考の人は無駄な仕事を減らすことで、より多くを生み出しているのです。

しくみ化の技術

1.小さな一歩を積み重ねる

毎日少しずつでもよいので、より良い未来に近づくことを実行することが大切です。

非エッセンシャル思考の人は、何もかも頑張って努力すれば良い結果が付いてくると思っており、欲張れば欲張るほど動きが鈍くなると同時に派手な勝利を追い求める傾向があります。

対してエッセンシャル思考の人は、現実的な思考で物事をいっぺんにやろうとせず、小さな成功を積み重ねて大きな成果を得ると同時に地道でも着実に勝ちに行きます。

仕事において、いきなり大成功することはほぼありえない状況で、小さな成功を積み重ねて【進歩している手ごたえ】を感じることが感情・モチベーション・認知を高めることが出来ます。

大きな進歩を望むなら、日々何度も繰り返す小さな行動にこそ着目するべきであり、小さな改善を地道に繰り返すことが大きな変化や成功につながるので、早く小さく始めて進捗を目に見えるようにして日々過ごしましょう。

2.無意識に習慣化する

正しい習慣を無意識に実行することで仕事もプライベートも上手くいきます。

繰り返し習慣化することで、どんなに難しいことでも少しずつ慣でれて簡単になっていき、気が付いたら他人にとっては難しいことでも無意識に簡単に実行することが可能です。

習慣化が大切な例として、野球で有名な【イチロー】さんは現役時代、バッターボックス立つ際にバットを立ててスタンド方向へ腕を伸ばし、袖を少し捲るということや、【毎日決まったものを食べる】【毎日ユンケルを飲み続ける】【他人のバットは使わない】【毎日同じ練習メニューをする】のように決まったルーチンワークがあります。

行き当たりばったりな行動はせず、正しい習慣を通じて自然に目標を達成することや重要なことだけに着目し、それを無意識に実行することで成功をおさめている【イチロー】さんはまさしくエッセンシャル思考です。

また、習慣化することで脳の活動が少なくなりほぼ停止している状態で、これは一見衰えるのでは？と思いますが都合がいいことであり、なぜなら脳の活動をそっくり別のことに使えるようになります。

習慣を変えることは簡単ではありませんが、練習を続ければ体が覚え込み、一生もののスキルとなります。

3.エッセンシャル思考を生きる

ここまで学んでエッセンシャル思考について理解することが出来たと思いますが、エッセンシャル思考を生きることはそう簡単なことではありません。

エッセンシャル思考を身に着けることは根気と努力が必要ですが、身に着けることで自然にノーと言えるようになり判断にそれほど迷わず、人生を自分でコントロールすることが出来るようになります。

最後にエッセンシャル思考を感じるために、著者がしてきた以下の行動を紹介します。

• 人脈づくりのイベントに行くよりも、子どもとトランポリンで遊ぶ
• この本を書くために、世界的有名人からの仕事の依頼を断る
• 家族と過ごすため、週に1日はソーシャルメディアを一切見ない
• 執筆のために毎朝5時に起きて午後1時まで書く生活を8カ月続けている
• 仕事の期日を伸ばして子どもたちとキャンプに行く
• 出張の飛行機ではテレビや映画を見ず、思考と休息に時間を使う
• その日の最優先事項が終わるまで、別のことには一切手を出さない
• フェイスブックを眺める代わりに、両親に電話を掛ける

このようにシンプルな人生を歩むことは幸福であることを示しています。

エッセンシャル思考を生きることは後悔なく生きることで、本当に大切なことを見極めてそこに最大限の時間とエネルギーを注げば後悔の入り込む余地はありませんので、自分の選択を心から誇りに思えます。

【本当に重要なのは何か？】を常に意識し、それ以外のことは全部捨てるようにしましょう。

まとめ

【エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考】について教えてくれる内容でした。
仕事をするうえで上手く立ち回る方法が書かれており、有効に活用することで人生の満足度も向上します。
これまで学んだことを実行すれば、あなたは人生における成功者の仲間入りです。

本書を読むことで人生の満足度が確実にアップし、自分の進む方向が見えてきます。
もしも今、下記のように思っている人はぜひ本書を手に取って実行してみてください。

・エッセンシャル思考についてもっと知りたい。
・周りから仕事を押し付けられるだけの人間になりたくない。
・ビジネス書における名著と言われる本書を読んでみたい。

以上、【エッセンシャル思考～最小の時間で成果を最大にする～】の紹介とMASAMIなりの一部要約でした。ビジネスの場において本当に必要なモノと不要なモノを分ける考え方や特性について細かく説明しており、非常におすすめ出来る内容です。日々の生活満足度を向上させるために有効に活用し、幸せな人生を歩み成功者の仲間入りをしましょう。

それでは、またの記事でお会いしましょう。