どんな本か下記概略となります。
- 世界一の睡眠研究所【スタンフォード】による睡眠を学べる
- 睡眠のメカニズムを学べる
- 最高の睡眠を得るための入眠や起床方法等について学べる
本書は最高の睡眠をとる方法が書かれています。
本書はスタンフォード大学医学部教授の【西野精治】さんが書かれた本で、数多くの有名人やアスリートもこの睡眠方法を取り入れており、睡眠に関する書籍において名著です。内容がどんどん頭に入ってきて非常に読みやすい本なので、すらすら読めてしまいます。
これを学ぶことで快適な睡眠ライフを歩めるとともに、仕事やプライベートでも日々高いパフォーマンスを発揮して過ごせるようになります。成功者はどのような生活習慣を送っているか学べる本ですので、ぜひご参照ください。
【ただ長く寝るだけ】ではダメ
1.眠りの借金地獄
まず初めに、本書では睡眠が足りていない状態を睡眠不足ではなく【睡眠負債】と述べています。
借金と同様に睡眠負債も返済が滞ると首が回らなくなり、脳や体が正常に働かない【眠りの自己破産】を引き起こすので、睡眠時間が足りないと簡単には解決しない深刻なマイナス要因が積み重なっていく状態です。
アルコールや薬物を摂取した運転が危険なのは皆さんご存じですが、睡眠負債を抱えた人のパフォーマンスは非常に危険な状態であり、【飲酒運転以上に危険】な状態になります。
また睡眠負債が重なると【マイクロスリープ】という瞬間的居眠りが発生するので、脳に悪いのはもちろん運転中に発生すると考えると恐ろしくなります。
日本人には睡眠時間が6時間未満の人が約40%もおり、これはアメリカでは短時間睡眠と呼ばれます。
「寝不足を感じて、週末は寝だめするぞ」と感じているなら、脳からSOSサインが出ているので注意です。
そして睡眠負債が積み重なると、以下の症状が出てくることを覚えておきましょう。
- 眠らないと【インスリン】の分泌が悪くなり血糖値が高くなり糖尿病を招く
- 眠らないと食べ過ぎを抑制する【レプチン】というホルモンが出ず太る
- 眠らないと食欲が増す【グレリン】というホルモンが出るため太る
- 眠らないと交感神経の緊張状態が続いて高血圧になる
- 眠らないと精神が不安定になり、うつ病、不安障害、アルコール依存、薬物依存の発症率が高くなる
睡眠負債や睡眠の質が下がるとデメリットしかありません。
しかし、睡眠負債が返せればパフォーマンスが劇的に上がるようになります。
睡眠が不足している点にデメリットがあることを述べましたが、1日1時間以上の昼寝をする人は認知症や糖尿病のリスクを高める研究結果があるので、一概に睡眠時間をたっぷりとるだけではダメなことを次の項目で説明します。
2.【たっぷりの睡眠】では脳は不満足
前項で睡眠負債による心身のダメージの恐ろしさと睡眠負債を解消したときのパフォーマンスが劇的に上がることを伝えましたが、【たっぷりの睡眠】をするだけでは睡眠負債を解消できません。
平日は短時間睡眠で週末に寝だめして調整している人もいますが、それでは睡眠負債が解決しない研究結果があります。
健康な10人を対象に実験前の平均睡眠時間が7.5時間に対して、1日14時間無理やりベッドに入れた結果3週間後に平均8.2時間となり、彼らは毎日40分ほど睡眠負債を抱えていたことになります。
本来必要とする睡眠時間に戻すにはそれだけの時間を要するので、週末の寝だめごときで睡眠負債が解決しないことはおろか、3週間かけて毎日14時間もベッドにいるのは現実的ではありません。
そこで、次項で説明する【いかに睡眠の質を高めるか】が重要になってきます。
冒頭の二項目では睡眠負債を抱えることがいかに恐ろしいかを説明しました。睡眠1つで日々のパフォーマンスが上下することは、その後の人生の良し悪しを左右するといっても過言ではありません。しっかりと学んでいきましょう。
3.【黄金の90分】で最高の脳と体をつくる
人は眠りに落ちてから目覚めるまで、ずっと同じように寝ているわけではありません。
一度は聞いたことあるかもしれませんが、眠りには【レム睡眠(脳は起きていて体が眠っている状態)】と【ノンレム睡眠(脳も体も眠っている状態)】の2種類があり、それを繰り返しながら眠っています。
そして寝付いた後にすぐに訪れるのはノンレム睡眠で、最初の90分間のノンレム睡眠は睡眠全体の中で最も深い眠りの状態です。
それ以降は時間とともにレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しつつ、徐々にノンレム睡眠の眠りの深さが浅くなり、明け方になるとレム睡眠の時間が長くなります。
睡眠が浅い明け方のレム睡眠時に目覚めるのが、自然な流れです。
つまり、睡眠メンテンナンスで最も意識したいのが【最初のノンレム睡眠】をいかに深くするかということです。
ここで深く眠ればその後の睡眠リズムが整い、自律神経やホルモンの働きが良くなり翌日のパフォーマンスが上がります。
最初の90分間は【グロースホルモン(成長ホルモン)】が最も多く分泌され、その名の通り子どもの成長に関与するだけではなく、大人の細胞の増殖や正常な代謝を促進させる働きがあり【アンチエイヂング】に効果があります。
また、長く起きていると眠りたい【睡眠欲求(睡眠圧)】が高まりますが、最初のノンレム睡眠でその多くが解放されることも研究結果が出ています。
このように、最初の90分間の睡眠を最大限に深くすることで沢山のメリットが得られるので、どのような環境にするかなどは後の項で説明します。
最初の90分の眠りが大切なのは、皆さん本能的に気づいているかもしれません。「眠ったばかりなのに起こされて、気分が悪い」「寝るときに周りがうるさい環境で、寝つきが悪く結局寝てたのか寝てないのかが分からない」といった経験は誰でも1度はあるでしょう。
人は人生の3分の1も眠る
1.成功者が大事にする【眠りの共通点】
成功者ほど眠りへのこだわりが強いことが分かっています。
【エアウィーブ社】というアスリートに愛用される高反発マットレスで知られており、そこで100人のアスリートに寝具の好みを確認したら、体重が重くがっちりした体型の人ほど硬めのマットレスを選ぶ傾向にあるようです。
また、その際に控え選手に比べると代表選手の方が眠りへのこだわりが強く、トップアスリートほど寝具、明るさ、室温など【睡眠時の環境】いついてはっきりとした自分の好みを持っています。
試合で最高のパフォーマンスをし、貪欲に記録を伸ばすにはトレーニングや食事だけではなく、【睡眠】に対してもセンシティブで常に模索をするのであり、これはビジネスパーソンにも当てはまりますので是非活用するべきです。
人生の約3分の1は寝ている時間なので、そこに価値のあるお金を使わない手はありません。
自分にとってどのような環境がベストな睡眠を得られるかを模索するのを趣味にしても良いかもしれませんね。
私自身の例ですが、30歳の頃に眠りにこだわり始めて【まくらぼ】でオーダー枕を作り、【日本ベッド(シルキーシフォンのクイーン)】を購入し、ラベンダーの香りのディフューザーを使用し、快眠ライフを過ごせています♪
2.睡眠に課せられる5つのミッション
ぐっすり眠った翌朝、脳と体が回復している場合は頭がさえてアイデアも生まれやすく、集中するから思考の精度も上がり、体調も良いので粘り強く仕事に取り組めます。
そこで、質の良い睡眠でぐっすり眠ることで脳と体に何が起きているかを知ることで、睡眠とはどういうことかが見えてくるので説明します。
1つめは、睡眠は脳と体に「休息」を与えます。
睡眠の役割で欠かせないのが睡眠で、睡眠=休息や100%電源オフとはなりませんが、睡眠中の脳と体は【スリープモード】になっています。
人は意思とは無関係に【自律神経】が常に働いており、これは体温維持し、心臓を動かし、呼吸し、消化し、ホルモンや代謝を調整します。
自律神経には活動モードの【交感神経】とリラックスモードの【副交感神経】があり、この2つは24時間働いていますがどちらかが常に30%ほど優位な状態になっています。
日中は交感神経が優位で、体内では血糖値と血圧、脈拍が上がり筋肉と心臓の動きが活発になり脳は緊張感と集中力が増しているのに対してノンレム睡眠中と食後は副交感神経が優位です。
どちらも大切ですが、多くの人は交感神経が優位の状態が多すぎるため、夜になっても寝つきが悪くなり眠りが浅くなる傾向があるため、黄金の90分間を意識してしっかりと副交感神経を優位にして脳と体を休めることが大切です。
2つめは、睡眠は「記憶」を整理して定着させます。
「寝る前に勉強すると記憶が定着する」というのは聞いたことがあると思いますが、実際に多くの知見があります。
レム睡眠中にエピソード記憶(いつどこで何をしたか)が固定され、黄金の90分で訪れるノンレム睡眠は嫌な記憶を消去し、それ以外のノンレム睡眠では体で覚える記憶(意識せずに覚えられる記憶)が固定される研究報告があります。
また、そのほかにも入眠直後の最も深いノンレム睡眠の時に、脳の海馬から大脳皮質に情報が移動して記憶が保存されるという研究報告もあります。
ただし、本書では【睡眠学習】に関しては何のエビデンスもないジャンク情報と書かれています。
3つめは、睡眠は「ホルモンバランス」を調整させます。
良い眠りは生活習慣病の改善にもつながります。
グロースホルモン(成長ホルモン)は最初の90分に最も多く分泌され、大人の場合はこのホルモンのおかげで筋肉や骨が強くなり代謝が正常化されます。
生殖や母性行動に関与するプロラクチンも最初のノンレム睡眠で多く分泌され、皮膚の保水量も睡眠で上がるメリットもあります。
4つめは、睡眠は「免疫力」を挙げて病気を遠ざけます。
睡眠が不適切だとホルモンバランスが崩れて、免疫の働きがおかしくなり風邪やインフルエンザ、がんなどの免疫に関する病気になる可能性が上がります。
「風邪は寝て治す」というのは免疫力向上と休息の面で理にかなっており、実際に睡眠が乱れていると免疫が確立せずワクチン接種の効果が認められない報告があります。
また、リウマチなどのアレルギーは天候などがトリガーになりますが、免疫にも大きくかかわっているので睡眠が不適切ではアレルギーが悪化する危険もあります。
5つめは、睡眠は「脳の老廃物」をとります。
脳は直接頭蓋骨の中に収まっているのではなく、【脳脊髄液】という保護駅に使っています。
この脳脊髄液は約150ccを1日4回で合計600ccほど入れ替わっており、新しい脳脊髄液が出て古いものが排出されるときに脳の老廃物も一緒に除去されるという研究結果があります。
この働きは日中も行われていますが、それだけでは処理が追い付かないので就寝時のメンテナンスが脳には必要です。
脳の老廃物の排泄がうまくいかないとアルツハイマーの原因である【アミロイドβ】がたまることや、長期的に脳のダメージにつながるので睡眠で脳を休めることが非常に大切です。
このように睡眠には脳と体に休息をもたらす重要な役割となっています。普段から何気なく睡眠をとっていますが、脳と体を休めるためのプロセスの1つと考えると睡眠の重要性が理解できます。
睡眠における【黄金の90分】
1.黄金の90分の三大メリット
【黄金の90分】と何度か紹介しましたが、改めて黄金の90分の三大メリットを説明します。
1つめは、寝ているだけで【自律神経】が整うことです。
入眠して眠りが深くなる際に交感神経の活動が弱まり副交感神経が優位になることで脳も体もリラックスした状態でしっかり休息をとることが出来ます。
自律神経の不調には体と心の病気の原因にもなり、頭痛、ストレス、疲労感、イライラ、肩こり、冷え性など「なんとなく調子が悪いな・・・」という体調の違和感の根っこには自律神経の乱れがあることが多いです。
2つめは、【グロースホルモン】が分泌することです。
グロースホルモンとは成長ホルモンのことで、子どもの成長に限らず大人のアンチエイヂングとしても効果を発揮すると説明しましたが、その分泌量は圧倒的にノンレム睡眠の質に依存しています。
その分泌量は第1周期のノンレム睡眠に際立って多く(70%~80%)分泌される特殊なホルモンで、「いつもなら寝ている時間」に起きているとほとんど分泌されないことになります。
逆に言うと十分な睡眠時間が確保できない場合においても、最初の90分を深く眠ればグロースホルモンの80%近くは確保できることになります。
3つめは、【脳のコンディション】が良くなることです。
質の良い眠りにはノンレム睡眠だけではなく、レム睡眠も欠かせません。
ノンレム睡眠が十分ではない場合、レム睡眠も早く出現することになり、金縛り発作、脱力発作の原因にもなることやうつ病患者の人もこれに該当します。
最初のノンレム睡眠が整うとレム睡眠も整うので、黄金の90分には脳のコンディションを整える働きがあります。
黄金の90分にしっかりと睡眠をとることで、脳にも体にも良い影響を与えます。しかし短時間睡眠にならざるを得ない場面もありますので、日頃から常にこの【黄金の90分】を念頭に置きましょう。
2.【体温】と【脳】の眠りスイッチ
子どものようにぐっすり眠れる2つのスイッチがあり、それは【体温】と【脳】のスイッチによって体と頭はスリープモードに切り替わり、睡眠が劇的に変わり下記のようなメリットがあります。
- スムーズに眠りの世界の入口へとたどり着き、より深く眠れる
- たとえ睡眠の量が少なくても、質を最大限に高められる。
- 途中で目が覚めてしまう悩みも減る。
- 翌日は頭が冴え、パフォーマンスが向上する。
まず、質の良い眠りは深部体温が低い状態をいいます。
人間の体温は睡眠時より覚醒時の方が高く、睡眠中は温度を下げて臓器や筋肉、脳を休ませ、覚醒時は温度を上げて体の活動を維持しています。
体温は筋肉や内臓による熱産生と手足からの熱放散によって調整されていますので、深部体温は日中高くて夜間は低いが、手足の温度は全く逆で日中は低くて夜間に高くなります。
つまり、手足からの熱放散を上手に手助けして深部体温を下げることで入眠しやすくなる状態に出来ます。
温泉の朝風呂の後に疲れや眠気を感じたことがありませんか?これはお風呂に入って体温が一時的に上がり、それを戻そうと体が命令して深部体温が下がっている時に起きる現象です。また、雪山で「寝るな!寝ると死ぬぞ!」というセリフがあり、寒いのに眠くなるのか?と思いますが、あれは身体の表面温度を上げるために深部体温が下がることで眠くなっているのです。
スタンフォード式【最高の睡眠法】
1.睡眠の質を上げる【3つの体温スイッチ】
睡眠のクオリティを上げるための3つの体温調整を説明します。
1つめは、【就寝の90分前に入浴】することです。
先ほど深部体温が下がることが良質な睡眠に欠かせないと述べまして、これは入浴をすることで深部体温が上昇した分下げようとする体内の働きを活用することで、睡眠のタイミングを意図的に調整出来ます。
そして人は40℃のお風呂に15分入った後は深部体温が0.5℃ほど上がり、深部体温が元に戻るまでの所要時間が90分で、入浴前よりさらに下がっていくのはそれ以降になります。
つまり、寝る90分前に入浴を済ませれば深部体温が下がっていきスムーズに入眠できるのです。
2つめは、足湯による【熱放散力】です。
お風呂に入る時間がない人はシャワーで済ませる人もいますが、質の良い睡眠へのスイッチは【足湯】の方が効果的です。
足湯での足の血行を良くして熱放散を促せば、入浴と同等の効果があるので忙しいビジネスマンにもおすすめです。
ここで注意したいのが、温めた後は熱放散をして深部体温を下げる必要があるので、保温のためにと靴下を履いたまま睡眠すると眠りの質が悪くなります。
余程の冷え性でもない限り、寝る直前には靴下を脱いでから入眠しましょう。
3つめは、体温効果を上げる【室内のコンディショニング】です。
質のいい睡眠を得るには室温を整えることが大切で、それは暑すぎても寒すぎてもいけません。
室温が高いと必要以上に汗をかき、入眠後は自然と体温が下がるのにさらに発汗による過剰な熱放散があると体温が下がりすぎて夏風邪の原因になります。
さらに湿度が高すぎると発汗しなくなり、手足からの熱放散を妨げられて眠りが阻害されます。
また、室温が低すぎると血行が悪くなり熱放散も起こらず眠れない状態になります。
季節ごとに異るので目安ですが、夏の室温は26℃、冬の室温は20℃を目安として、湿度を40~60%の範囲に保つことで快適な睡眠ライフを送ることが出来ます。
良質な睡眠をとる為に、体温の調整が大切です。日本は高温多湿かつ冬は寒いので、季節に合わせて室温調整をする必要があるので冷暖房も上手に活用しましょう。多少の電気代をケチることで睡眠に悪影響を及ぼしている可能性があります。
2.入眠をパターン化する【脳のスイッチ】
環境が変わるとその変化に脳が反応して、人は不眠症になる可能性があります。
仕事に限らず、旅行先で眠れない経験がある人がいますが、これはまさしく環境の変化が脳に刺激を与えて入眠が妨げられている状態です。
大きな悩み事があったり、寝る直前まで仕事をしたり、ゲームやスマホで脳が興奮していたらなかなか眠りが訪れないし、睡眠の質も確保できません。
好奇心旺盛な人でも、眠りにつく前の脳はチャレンジを好まないので、【いつもどおり】を保つことで脳のスイッチを睡眠モードにすることが出来ます。
眠りにつく前は退屈な状態が睡眠に良い影響を与えるので、可能な限り頭を使わないことが大切です。
寝る前に映画を見るなら興奮するアクションなど激しいジャンルを控えることが大切です。寝る直前にあれこれ考えてなかなか眠れないという人もいますが、良質な睡眠を得るために自分なりに何も考えず、リラックス出来る環境を作りましょう。
スタンフォード式【覚醒戦略】
1.【どう起きているか】が大切
本書の著者は睡眠の専門家であると同時に覚醒の専門家でもあります。
朝起きてから眠るまでの行動習慣が最高の睡眠を作り出し、最高の睡眠が最高のパフォーマンスを作り出します。
逆に朝からぐずぐずと寝坊し、1日を眠気とともに過ごし悪影響を及ぼすような昼寝をして、夜になっても睡眠のスイッチが入らないといった睡眠全体の低下で翌朝起きられない・・・と悪循環になります。
そこで覚醒に大切な2つのスイッチがあり、それは【光】と【体温】です。
1つ目の光のスイッチは、光の刺激が脳の活性化を促し、体温、自律神経、脳やホルモンの働きを整えてくれます。
その為、朝起きたら太陽の光を必ず浴びるように心がけることが大切で、数分程度の時間でよいのと仮に雨や曇りで太陽が見えなくても、体内リズムや覚醒に影響を与える光の成分は脳に届いているので大丈夫です。
2つ目の体温のスイッチは、覚醒時はしっかりと体温を上げてスイッチオンにしておくことです。
睡眠の項目でも述べたように、人は睡眠中は体温が下がり日中は体温が上がりますので、日中は体温を高く保つことで覚醒を促してより睡眠へのスイッチの切り替わりが上手くいき良質な睡眠をすることが出来ます。
朝起きたらカーテンを全開にして日光をたっぷり浴びましょう。上記にも書いてあるように、曇りや雨の日であっても少しでも光を感じることが出来て目が覚めます。1日の始まりから気持ち良いと、その後も調子が良くなりますよ。
2.覚醒レベルを高める方法
ここからは覚醒戦略を紹介しますが、本書では沢山の方法がありますのでMASAMIなりに抜粋します。
1つめは、アラームは【2つの時間】でセットすることです。
個人差はありますが、レム睡眠とノンレム睡眠は90分サイクルで周期を繰り返しています。
レム睡眠で起きることですっきりと起きれますが、レム睡眠がいつ出現するかを調べるのは難しいので、仮に7時に起きる場合は6時40分と7時の2つの時間にアラームをセットし、1回目のアラームは静かに、2回目のアラームは通常にします。
1回目のアラーム時にレム睡眠であれば小さな音でも目覚めやすく、レム睡眠で起きることが出来て目覚めが良くなり、仮に1回目がノンレム睡眠でも20分の間隔を空けることで、2回目にレム睡眠で起きられる確率が上がります。
このように、20分間隔で起きたい時間を狙ってアラームをセットすることが大切です。
注意したいのはスヌーズだと十分な間隔が空けられないので、スヌーズは解除しておきましょう。
2つめは、【裸足朝活】で覚醒ステージを上げることです。
脳には【上行性網様体】という繊維の部分があり、そこを刺激すると覚醒する働きがあります。
この刺激方法として、足が床にじかに触れることで皮膚感覚をして活性させることと、裸足で皮膚温度を下げ深部体温を上げるという方法を逆手に取り、入眠と相対して覚醒することが出来ます。
冬などの寒い時期はより効果があがるので、覚醒を試みたいなら寒いかもしれませんが、ぜひ試してください。
3つめは、【夕食をしっかりとる】生活をすることです。
脳には覚醒物質である【オレキシン】というものがあり、絶食するとオレキシンの分泌が促進され、食事をするとオレキシンの活動は低下し、覚醒度が落ち着く働きがあります。
夕食を食べないとオレキシンの分泌が促進され、食欲が増大するうえに交感神経の活発化や体温上昇も引き起こし、覚醒して眠れなくなる可能性が高まります。
夕食抜きは眠りと健康にとってまさに【百害あって一利なし】なので、ダイエットとして取り入れないように注意しましょう。
逆に夕食をしっかりとることで、リラックスした状態で入眠できますので結果的に質の良い睡眠が出来ます。
私自身、本書を読む前はアラームはスヌーズにしていたので、「今日はスッキリ起きれないな・・・」と長年過ごしてきましたが、本書のアラーム方法を取り入れたらスッキリ起きれる頻度が上がりました。上記3つの方法をしっかりと覚えておくことをお勧めします。
眠気を制する者が人生を制する
1.【睡魔】に打ち勝つ方法
突然ですが、アメリカ人は会議で眠気に襲われる人が少ないのに対し、日本人は多くの人が眠気にうなだれています。
眠気について人種差があるというエビデンスはないので、これはなぜかというとアメリカは会議そのものが短く終了時間が決まっていることに加え、参加したメンバーは必ず自分から発言をすること、質問コーナーでなくても疑問があればすぐ質問をするし、意見も述べます。
つまり、常に会話をしている状態であり会話は覚醒の強いスイッチになります。
このように受け身の状態では覚醒出来なくても、積極的に行動することでどんどん脳が覚醒して睡魔に打ち勝つことが出来ます。
このほかにも、ガムなどと噛むと目が覚める、温かいものを飲むと体温が上がり覚醒するなど覚醒方法はさまざまであり、緊張、集中、注意といった行動をすることで覚醒スイッチをオンにすることが出来ます。
絶対に合格したい試験や面接の最中は、ほどよく緊張して合格に集中し、間違えないように注意しているので、そんな中眠くなるなんてありえませんね。そのように脳のスイッチを切り替えることで、睡魔に勝つことが出来ます。
2.超一流の【仮眠術】
人は社会生活を送るうえで通常14時間~16時間ほど連続で起きていますが、種として人は進化の過程で大昔から昼寝をとっていた可能性があります。
人は14時ころに眠くなるという研究結果があり、これは人として避けられないパターンでもあると同時に「眠たい」時は体温や脳の眠りの条件が整った数少ない瞬間なので、ある意味チャンスなのです。
超一流の人は【眠気=排除するべきもの】ではなく【眠気=チャンス】と捉えており、実際に起きている時間が長いほど仕事などでミスをする確率があがり、仮眠をとることで脳が休まりミスが減ることを知っています。
そこで超一流の人は眠気が来るタイミングで20分の仮眠をとるようにしています。
パフォーマンスに限らず健康面においても、30分未満の昼寝をする人は昼寝の習慣がない人と比較して、認知症の発症率が約7分の1になる結果があります。
しかし注意していただきたいのは、1時間以上昼寝する人は昼寝の習慣がない人に比べて認知症の発症率が2倍も高くなっています。
昼間に多く寝ると夜の入眠がスムーズに出来ない可能性があり、脳にも悪影響となるので【仮眠をとるなら20分】とするようにしましょう。
昼寝をするチャンスは昼休み中という人が多いので、このタイミングのいずれかで20分の仮眠をとるようにすると良いでしょう。昼休みも仕事をし続けると脳が休まりませんので、休むことはとても大切です。
3.睡眠は最高のギフト
ここまで読んでいただいて、睡眠の重要性が理解できたでしょうか。
人生の3分の1を変えれば、残りの3分の2も動き出すので睡眠は人が体を休めるのに必ず必要な役割で、睡眠はすべての医学の基礎にもなります。
高血圧、心臓疾患、認知症などの様々な不調に関りがあると考えられており、スポーツ医学でも今では【睡眠こそがすべての基礎である】という認識に変わりつつあります。
もしあなたが現状の仕事や生活に満足していないのであれば、手つかずの残りの3分の1である睡眠を改善しましょう。
それが残りの3分の2の人生に良い影響を与えるのであれば、レバレッジの効果がありまさに【睡眠は眠っている以外の人生においてもギフト】になるのです。
睡眠は言い換えると、習慣にするとさほど努力する必要のない【夢を叶える最もシンプルは方法】なのです。
人は人生の3分の1は寝ているので、その時間を大切にすることで残りの人生も有意義に過ごせて後悔しない人生が送れるでしょう。誰にでも実践可能な【最高の睡眠】をぜひ実行し、その素晴らしい効果を体験してください。
まとめ
【最高の睡眠方法】を教えてくれる内容でした。
人は人生の約3分の1を睡眠に使っているので、有効に活用することで日々のパフォーマンスが上がり人生の満足度も向上します。
これまで学んだことを実行すれば、あなたは人生における成功者の仲間入りです。
本書を読むことで人生の満足度が確実にアップし、自分の進む方向が見えてきます。
もしも今、下記のように思っている人はぜひ本書を手に取って実行してみてください。
・いくら睡眠時間をとっても疲れが取れない
・ただ何となく寝るのではなく、優れた睡眠方法を知りたい
・一流の人たちがどのような睡眠をとっているか知りたい。
どんな状況からでも人生は必ず良くしていけます。
たった一度きりの、あなただけの人生で、今日が一番若い日です。
人はなにものにでもなれる。今からでも。
行動をすることで豊かな人生を歩んでいきましょう。
以上、【スタンフォード式 ~最高の睡眠~】の紹介とMASAMIなりの一部要約でした。睡眠について細かく説明しており、誰にでも実践可能な複数パターンの睡眠方法が書かれているので非常におすすめ出来る内容です。日々の生活満足度を向上させるために有効に活用し、幸せな人生を歩み成功者の仲間入りをしましょう。
それでは、またの記事でお会いしましょう。
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