どんな本か下記概略となります。
- 運動が脳にもたらすメリットを学べる
- 脳に関する基礎知識を学べる
- どのような運動をすれば良いかを学べる
本書は運動は脳にとって、とても良いということについて書かれています。
本書はスウェーデン出身の精神科医である【アンデシュ・ハンセン】氏が書かれた本で、彼は脳の知識においてはスペシャリストであり、数多くの脳に関する書籍を出版しています。
これを学ぶことで、我々の大切な脳を活用して充実した日々を過ごせるようになります。成功者はどのような生活習慣を送っているか学べる本ですので、ぜひご参照ください。
運動が脳にもたらすメリット
1.運動は脳の各領域の連携を強化する
運動が脳に与える影響について説明する前に、まずは【脳】自体の仕組みについて簡単に説明します。
まず、脳はひとそれぞれ大きさが異なり、両方の手をグーにして手のひら側を向かい合わせにつけたときの大きさが、大体その人の脳の大きさになります。
そして、脳はおよそ1000億個もの細胞によって構成されており、その1つ1つの細胞がそれぞれ何万個もの別の細胞とつながっているので、人間の脳というのは非常に複雑な作りになっています。
そこで頭の良し悪しというのは、【脳の各領域がしっかりと連携していること】になります。
例えばピアノの練習をしていたとして、ピアノは「白と黒の鍵盤がある」という視覚的な情報が脳に入り、そのあと脳は鍵盤の中の【ド】を引くという指令を指に出して、音が出たら耳から脳へと情報が送られます。
それを聞いて、次の鍵盤を押すということを繰り返してピアノを演奏するのです。
この時に、【見る(後頭葉視覚野)】【指を動かす(前頭葉運動野)】【聞く(側頭葉聴覚野)】という行為はそれぞれ脳の別の領域が担っていおり、ここで各領域の連携がスムーズなほど上手にピアノを弾くことが出来ます。
これは勉強にも同じことが言えて、脳の各領域の連携がスムーズだと得られた情報を迅速に処理出来て、理解するまでの時間が早くなります。
そして運動には、脳の連携を強化する作用があり、身体を動かすことで脳に変化が起こって、連携回路が修正されるので、運動すると脳のパフォーマンスが上がることになります。
個人的な意見ですが、ピアノを弾ける人は頭の良い人(勉強に限らず)が多き気がします。これも、ピアノが脳に良いと言われている一つの要因でしょう。子どもにはピアノを習わせて運動習慣をつけてほしいですね。
2.運動はストレスを低減させる
運動をすることで、【うつ】や【不眠】といったストレス疾患の予防になることが分かっています。
まずストレスの仕組みですが、嫌なことや辛いことがあり身体が脅威を感じると、脳からあるホルモンが分泌されて、このホルモンが身体の中をめぐり腎臓にある【副腎】という器官を刺激します。
すると、次にその副腎から【コルチゾール】(別名:ストレスホルモン)と呼ばれるホルモンが分泌されます。
血中のコルチゾールの濃度が増えることで心拍数が上がり、ストレスを感じている状態になります。
そしてこのストレス反応により脳が刺激されて、さらにコルチゾールが増してしまうという悪循環が行き過ぎるとパニックに陥ってしまうのです。
ここで重要な役割を果たすのが、脳内の【海馬】という部分になります。
海馬は記憶を司る器官として有名ですが、感情を暴走させないためのブレーキの役割も担っており、海馬がストレスから身を守ってくれます。
ただ、この海馬の細胞も過度のコルチゾールにさらされ続けると死滅してしまいますので、コルチゾールがいかに恐ろしい存在化が分かります。
そこで運動が大切であり、身体を動かすことによって海馬が強化されます。
運動によって海馬がストレス反応に対して大きくブレーキをかけてくれるようになるので、ストレスに強い身体となるのです。
嫌なことがあっても、ジムで身体を動かすことでストレス解消になったりストレスに強くなるのは、無意識に海馬を強化していたのです。運動はメリットばかりなので、無理のない範囲で習慣に取り入れましょう。
3.運動は集中力をアップさせる
次に紹介する運動が脳にもたらす効果は、【集中力のアップ】です。
集中力とは、周りのものに気を取られず目の前のことだけに取り組めている状態であり、この時に活躍するのが脳の中の【前頭葉】という部分になります。
前頭葉は【情報処理】を司っており、周りからの情報量が多すぎると処理しきれなくなってしまい、そうなると周囲のものが気になって集中力が失われていきます。
そして前頭葉は、運動することで活性化することがわかっているので、身体を動かすことで周りからの情報をスムーズに処理できるようになり、集中しやすくなります。
さらに運動が集中力アップにつながるもう一つの要素として【ドーパミン】の分泌もあり、特に集中したい時はこのドーパミンの性質を利用することがおすすめです。
ドーパミンは、運動した直後から分泌量が上がっていき、それから数時間はその状態が続くことが研究結果で分かっているので、集中したいことをやる前に身体を動かしておくことです。
前頭葉と同様に、ドーパミンも集中力が上がることが分かっています。筋トレをするとドーパミンが出るなど、分泌する方法が沢山あるので自分に合うやり方をすると良いでしょう。
4.運動で気分の落ち込みを防ぐ
身体を動かすことは、気分を晴れやかにして【うつ病】を防ぐ効果があります。
これには【ドーパミン】【ノルアドレナリン】【セロトニン】という3つの神経伝達物質が関係しています。
【ドーパミン】は先ほど登場しましたが、分泌されることで気分が高揚し、意欲や活力がみなぎることで気持ちの落ち込みを防ぎます。
【ノルアドレナリン】もドーパミンと同様に、やる気や集中を促す物質であり、足りないと疲労感や気の滅入りを感じますが、多すぎると興奮して落ち着きがなくります。
【セロトニン】は興奮した脳を鎮める作用があり、悩みや不安を和らげて心が落ち着きます。
そして運動することで生成される最強の脳内物質があり、それは【BDNF】と言います。
【BDNF】とは、脳内の細胞が傷ついたり死滅しないように保護してくれる物質で、頭を強く打った時も分泌され、【脳の救助隊】とも言える働きをしています。
さらにこの【BDNF】には新しく生まれた細胞の成長を促したり、脳の細胞間のつながりを強化したり、細胞の老化を遅らせたりする効果まであります。
身体を動かしてこれらの物質を沢山分泌させることで、気分の落ち込みから身を守れて、うつ病を予防することが出来ます。
毎日デスクワークばかりでうつ病になる人はいても、運動している人でうつ病になるという話はあまり聞きませんね。それだけ運動が脳に良いということなので、意識的に身体を動かしましょう。
5.運動は記憶力を改善する
脳は年齢とともに少しずつ縮んでしまいます。
脳の大きさは25歳ごろがピークで、それ以降はどんどん小さくなり、脳細胞が生まれるペースよりも死滅するペースの方が上回ってしまいます。
前項で紹介した脳内で記憶を司っている【海馬】も加齢とともに小さくなるので、年齢を重ねるごとにモノ覚えが悪くなってしまう仕組みなのです。
しかし、トレーニングを積むことで、海馬が縮まないどころか逆に大きくすることも可能だということが減給結果で分かっています。
それは、週に3回、40分間早歩きをすることです。
この運動をすることで、前項でも述べた【BDNF】が生成され、これにより海馬の成長が促進されます。
さらに運動は【遺伝子の老化】も防ぐことが分かっております。
細胞の中の遺伝子自体は生涯変わりませんが、活動内容は年齢とともに衰えていき、これが身体のさまざまな器官の老化につながります。
ただし、運動は大切ですが、疲労を覚えるほどやると逆効果になる可能性もあります。
疲労により筋肉が血液を必要とすると、脳に流れる血の量が減ることになるので、いままで運動する習慣がない人はウォーキングなどの負荷の軽い運動から始めることをおすすめします。
運動が脳に良いからと言っていきなり激しい運動することはお勧めしません。脳の活性化どころか身体を壊しかねませんので、少し心拍数が上がるくらいが良いでしょう。週に3回、40分の早歩きなら普段の生活に取り入れやすいですね。
6.運動が創造性を高める
身体を動かすことには、人間の発想を豊かにする効果もあります。
例えば作家の【村上春樹】さんは、沢山の本を出版しているのでひたすら原稿を書いていると思われがちですが、執筆するときは創造性を豊かにするために毎日ランニングと水泳をしているそうです。
歩きながら考えると、良いアイデアが出やすいという研究結果もあり、実際に昔の哲学者は歩きながら考える人が多かったのです。
どうして運動をするとアイデアが出やすくなるのかというと、脳内にある【視床】という部分の働きが良くなるからです。
視床は私たちの生活の周りにある【視覚情報】【音】【温度】など、あらゆる情報から【意識に上げるべきもの】を選別している器官です。
例えば街を歩くと沢山の看板が目に入ってきますが、意識が向くのは主に自分に関係しているものや興味があるものになり、周りの情報の全てが意識に上がると何にも集中できなくなります。
こうなると普通の生活がままならなくなるので、視床がフィルターの役割となって制御しています。
そしてこの視床が正常に働くために大切なのが、前項でも述べた【ドーパミン】になり、ドーパミンが適量であることで視床が正常に機能して、情報をきちんとふるいにかけられます。
発想力を豊かにするために、運動をして意図的にドーパミンの量を増やすことで大量の情報が意識上に流れ込み、普通の人とは違う視点で物事を捉えることが出来るようになります。
昔の哲学者は無意識に歩くことで脳を活性化させていました。私の経験上、登山をしている時はボーっとする時間もあれば、考え事をしてそこで出た案を実行すると、良い結果につながることもありました。運動が創造性を高めるのは皆さんも経験があるのではないでしょうか。
7.運動は老化を遅らせる
先ほど、年を重ねると脳が縮むことで記憶力が低下するという説明をしました。
他にも加齢が脳に与える影響は、思考が遅くなったり集中力が亡くなったり、複数のことを同時にできなくなります。
年を重ねるほど脳のパフォーマンスが落ちていき、若いうちは脳の一部を使用して対応していたことも、脳内の広い領域を使わないと何事も課題をこなせなくなってしまうのです。
しかし、体力のある高齢者ほど脳の労力は少なめで課題をこなすことができ、これには【カロリーの消費量】が深く関係しています。
加齢による脳の萎縮は良く動いてカロリーの消費量が多い人ほど遅くなるので、運動する習慣があり長年カロリーを消費し続けてきた人は脳が若いままに保たれます。
これには過酷な運動は必要なく、毎日20分でも歩くだけで十分効果が得られます。
歩けなくなったり病院で寝たきりだとどんどん脳が衰えていくので、元気な高齢者と比較すると一目瞭然ですね。年を重ねるほど運動を開始することがしんどくなるので、若いうちから運動を習慣化すると良いでしょう。
8.少しの運動でも十分価値がある
運動が脳に良いことはわかりましたが、実際にどんな運動をどれくらいやればよいか説明します。
実際にこれには明確な答えは無いのですが、大前提としてわずか一歩歩くだけでも、脳のためにはなることが分かっています。
もちろん長い時間運動することに越したことはありませんが、少し身体を動かすだけでも十分な効果があるので、自分が【楽しい】と思える範囲で運動してみましょう。
1つの目安として取り上げられているのは、【30分間のウォーキング】であり、これを継続していると脳に高い効果が望めますし、これくらいであれば大抵の人は辛くならずに継続出来るでしょう。
そして脳を最高のコンディションにしたいのなら、【週に3回、45分以上のジョギング】をすることで、最強の脳内物質である【BDNF】が沢山生成できるようになります。
この【BDNF】を増やすには心拍数を上げることと、有酸素運動をすることがポイントになります。
この二つの運動習慣を意識して、あとはとにかく継続することが大切で、半年ほど続けることで目覚ましい効果が実感できるようになります。
いままで運動習慣が無かった人はいきなり無理をせず、散歩など軽い負荷の運動から始めると良いでしょう。大切なのは大きな負荷をかけるよりも継続することです。これは、何事にも共通して言えることでしょう。
まとめ
【運動が脳にもたらすメリット】を教えてくれる内容でした。
脳は人間の全てを司る器官と言っても過言ではありませんので、有効に活用することで人生の満足度も向上します。
これまで学んだことを実行すれば、あなたは人生における成功者の仲間入りです。
本書を読むことで人生の満足度が確実にアップし、自分の進む方向が見えてきます。
もしも今、下記のように思っている人はぜひ本書を手に取って実行してみてください。
・運動が脳にもたらすメリットをもっと知りたい。
・脳の各器官や役割をもっと知りたい。
・運動習慣についてもっと詳しく知りたい。
どんな状況からでも人生は必ず良くしていけます。
たった一度きりの、あなただけの人生で、今日が一番若い日です。
人はなにものにでもなれる。今からでも。
行動をすることで豊かな人生を歩んでいきましょう。
以上、【運動脳 (一流の頭脳)】の紹介とMASAMIなりの一部要約でした。運動で脳が活性化し、さまざまなメリットがあることを説明しており、非常におすすめ出来る内容です。日々の生活満足度を向上させるために有効に活用し、幸せな人生を歩み成功者の仲間入りをしましょう。
それでは、またの記事でお会いしましょう。
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